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あの、ハーモニー・コリンが遂に作品を発表した。
ずっと新作を心待ちにして、もはや彼は復活は無理なんじゃないかな、と感じていてもいたところに朗報が。
そして僕は心してこの『ミスター・ロンリー』を観に行った。
何しろ、8年ぶりの監督作品。
正直恐いもの見たさもあった。
ましてやプロモーションが「パリでマイケル・ジャクソンとマリリン・モンローが恋に落ちる」という、破天荒すぎる宣伝文句。
全くどんな物語なのか予測がつかない。
そんなちょっと困惑気味の気持ちで僕はソファに座った。
そして予想通りのマイケルとマリリンのモノマネ芸人が登場し、軽い笑いのジャブが入るが、2人がパリを経ち、スコットランドの館へど移動すると、たちまちにこの作品のモードはシリアスなものへと変わる。
かつての『ガンモ』や『ジュリアン』のような散文詩的な感触と、古典的とも言えるような物語に対するアプローチの二つが、この作品では見事に融合されている。
これが僕の第一印象だった。
いままでのハーモニー・コリン作品のような、イメージの速度でズタズタに意味を切り裂きまくった後の呆けた後味は、微塵も残っていない。
この作品の中にあるのはより緻密で、最後まで緊張感は保たれたまま壊れそうで壊れない、明晰な美意識だ。
そこがこの作品の素晴らしさだと思う。
ハーモニー・コリンは初めて普遍的な古典へと向ったと言えよう。
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